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脱ひきこもりを支える保護者の心得

  • 「自分が変われば他人が変わる」というスタンスが重要
  • 心配しながらずっとそばにいることは逆効果
  • 社会復帰を長期スパンで考えることで安心感を与える
  • 自身がプラスの感情を保ち、その感情を伝染させてほしい

ここでは保護者の皆様ご自身がどのようなスタンスでいらっしゃることが、お子様のひきこもり脱出にとって理想的であるか、について書いていきます。

お子様の気持ちを考えてみる

息子さんや娘さんが不登校・ひきこもりの場合、「この先どうなるんだろう?」「何が悪いんだろう?」と悩んだり焦ったりしてしまいがちですが、このように悩んだり焦ったりしてしまうのは親心として当然だとお察しいたします。しかし、視点を変えて、いざ「自分が」もし不登校やひきこもりの状態だったら?と少し想像してみると、また違った光景が見えてくるかもしれません。

ご自身の親御さまが夜も寝られないような深刻な不安や心配を感じていて、しかもその原因が自分であると想像したとき、どんな気持ちを抱くでしょうか?
人それぞれ感じ方は異なるかもしれませんが、あまりよい気持ちはしないのではないでしょうか。むしろ、「親に対して申し訳ない」という気持ちを強く持たれる方が多いと思います。それはつまり、いま現時点でお子様はあなたに対してそのような気持ちをもっている可能性があるということにほかなりません。

わが子を大切に思うがゆえに心配しているのに、それが逆効果になってしまう―
実はこれ、不登校・ひきこもりの親御さまの関わり方でよくあるケースなのです。不安や心配・焦りを抱いているとき、人は視野が狭くなりがちで、また親子という身近な関係だからこそ盲点になりやすいのですが、お子様を大切に思えば思うほど、それが無言のプレッシャーとなりひきこもり脱出の足かせになってしまうのです。かといって心配しないようにしようと思ってもなかなか難しい…。

このようなジレンマを解消し、お子様のひきこもり脱出へ適切なサポートができるようになる心構えを、ここでは2つご紹介します。

人生は長いスパンで考える

まず、息子さんや娘さんの社会復帰を「長期スパンで考える」という姿勢が大切です。

例えばお子様が高校を中退してしまい、いま18歳でひきこもっていたとしましょう。その場合は高卒認定試験の勉強に2~3年、プラス大学を4年間と仮定してトータルで7年くらいでしょうか。もっと大目にみて8年としましょう。それでも大学卒業時は26歳です。この年齢をどう見るかによって親御さまの心境が変わってきます。

高校・大学とストレートで卒業した人は22歳で社会に出ますが、26歳との差であるこの4年間を単純に「遅れ」ととらえてしまうと、いまのお子様のひきこもり状態に対して焦りを覚えてしまうかもしれません。しかし、一歩立ち止まって考えてみると、お子様はいったい何に対して遅れているのでしょうか。また、誰と比較して遅れているのでしょう。それ以前の疑問として、そもそも早い方がいいのでしょうか。

みなさまご存知のように、大人になればなるほど年の差など関係なくなりますし、このような質問に親御さま自らが真摯に向き合っていくにつれて、漠然とした焦りや不安というものは自ずと小さくなるのではないかと思います。そして、焦りや不安が小さくなればなるほど、安心感がその隙間を埋めるようになり、その安心感こそがひきこもりのお子さまの背中を押す力となっていきます。

「この子の人生は長い」。
このように長いスパンで考えることが親御さまのスタンスとしてまず何より大切なことです。事実、長いのですから。

自分の「ごきげん」に責任を持つ

2つ目の心構えは上述の内容を受けてのものになりますが、感情は伝染するということをぜひご理解いただきたいのです。ご自身が不安や心配を抱いてネガティブな感情をお子様に伝染させてしまうのではなく、ご自身がプラスの感情を保ち、その感情をお子様に伝染させてあげてください。極端な言い方をすれば、親御さんご自身がまず幸せに、ごきげんになることが大切だということです。

というのも、ご家庭内の空気を作り出すのはご家族一人ひとりの「感情」であり、その一人ひとりの感情は予想以上に強い影響力をもっているらしいのです。数年前、海外のある研究で「幸せは伝染する」ということが科学的に証明されました。この研究によると「1マイル以内(約1.6km)に住む友達(家族を含む)が幸せになったとき、将来自分が幸せになる確率は25%上がる」とのことで、つまり身近に住む人の幸福感は伝染しあうという結果だったのです。たしかにごきげんな人に会うとこちらまでついついごきげんな気分になってしまうことはよくありますが、あの現象は私たち人間にとっての普遍的な真実である可能性があります。

ふだん、私たちはある出来事によって自分の感情が決められると考えています。悪い出来事があれば気分も落ち込み、良い出来事があればごきげんになる、という風に。しかし、同じ出来事が起きているにも関わらず、例えばAさんは悲しく感じている一方、Bさんはごきげんなままでいられるという状況も現実的にありえます。このときAさんとBさんの何が違うかというと、同じように起きた出来事に対して「頭の中でどうとらえているか」が異なるのです。そして、そのとらえ方の違いによってAさんは悲しく、Bさんはごきげんになっているのです。

私たちの気持ちに最も影響を与えているのは出来事ではなく「自分のとらえ方」であるということが、多くの実験と論文によって明らかにされています。お子様がひきこもりという出来事を「どうとらえるか」、それによって自分の心のもちようをコントロールすることができる力を人間は持っているのです。

幸せは伝染します。
お子様を変えることは本人以外誰もできません。ですが、親御さまご自身がごきげんでいることで、そのプラスの空気はお子様にも伝染するのです。親御さまが明るくなると、それにともなってお子様の気分も前向きに変わってくるケースが多々あります。

「ひきこもり」と「ごきげん」。
言葉だけをみると一見、全く関係のないように感じますが、保護者の方ができる重要な心構えなのではないかと思います。もちろん、我が子がひきこもりの状況でごきげんにいるというのは労力を要するものです。ここはひとつ修行ととらえて、ぜひ心掛けてみてください。

ここでは保護者の方ができる2つの心得についてみてきました。不思議なお話ですが、ふだん身近にいる親御さまの心もちが変われば変わるほど、ひきこもりの子も変わっていきます。ひきこもりの子を変えるのではなく、ご自身が変わっていくと、その子が変わっていくのです。上述の2つ以外にもポイントは多々あり、MILESTONEではこのようなポイントをお伝えする保護者向けのセミナーも随時開催いたします。ぜひお問合せください。