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「脱ひきこもり」お役立ちコラム

不登校やひきこもりのお子様との年末年始の過ごし方

松隈 信一郎(医学博士/公認心理師)

福岡県出身。慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程にて幸福感や強み等、人間のプラス面を科学するポジティブサイコロジーを研究。在学中より従来のカウンセリンではない、ポジティブサイコロジーによる不登校・ひきこもり支援の可能性を見出す。その後、一般社団法人ストレングス協会を設立。10代、20代の若者に特化した訪問支援と教員・保護者へのポジティブサイコロジーの教育を通して、世界中の青少年が希望をもてる社会の実現に向けて活動を続ける。著書に『「強み」の見出し方』(「月刊精神科」2017年7月号)等。

 

「光陰矢の如し」と言われますが、あっという間に今年も終わろうとしています。皆さんにとって2019年はどのような年でしたでしょうか?よくこの時期に不登校やひきこもりのお子様をもつ親御様から年末年始の過ごし方についてお伺いされますので、今回は年末年始の過ごし方について、少しお話できればと思います。

 

これからのシーズン、クリスマスや大晦日、お正月など、家族間でも色んなイベントがあるかと思いますが、結論からいうと、いつも通り、ふつうに過ごしてほしいと思います。

 

不登校やひきこもりであろうとなかろうと、クリスマスはクリスマスですし、大晦日は大晦日であり、お正月はお正月です。学校や仕事に行っていなければ、それらの行事を楽しんではいけないという決まりやルールはありませんし、むしろ親御様もお子様も日常から解放されるお休みですので、「社会通念」は横に置いて、ゆっくり過ごしてほしいなと思います。

 

「クリスマスやお年玉で欲しいもの買ってあげるから、年明けから学校に行こうね」など、ついつい、「ニンジン」を使いたくなる誘惑に襲われそうになる方もいらっしゃるかもしれませんが、条件付けの会話(〇〇だから、〇〇しようね)がうまくいった試しを私は存じておりません。

 

一方、例えば学校や仕事に行っていないがために不登校やひきこもりのお子様ご自身が、「親戚に会いにくい」と親戚の集まりを拒否したりしがちになるケースもあります。無理やりに連れて行くのは親子関係が悪化する可能性もあるためお勧めしませんが、もし「ちょっと会いづらいな」程度でしたら、是非、その集まりに連れて行ってほしいと思います。実際に行ってみると「意外と周りは気にしていない」(と気づく)かもしれませんし、家族以外の他の人と交わる機会は、ご本人にも新しい視点をもたらしてくれるかもしれません。

 

ここでのポイントは、親御様が「お子様が学校に行っていないこと」や「仕事をしていないこと」を恥ずかしがらない、気にしないことです。むしろ、お祖母さんやお祖父さんなど、世代が異なるがゆえの価値観で「登校拒否」は悪いものとお子様に「行くのが当たり前じゃない」と責めてこられそうになっていたら、「この子にはこの子の人生があるの」と毅然と守ってほしいと思います。皆さんも会社で部長が怒ってきた時、課長が自分のことを守ってくれたら、その課長により信頼するようになりますよね。言わないだけで、行動に現れていないだけで、お子様自身が一番分かっています。年末年始くらいは日常の戦場から一端離れて、どうぞ小休憩されてください。