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「脱ひきこもり」お役立ちコラム

10代後半・20代のひきこもりの若者にとって必要なこと ①

10代後半、20代のお子様が引きこもりになった場合、彼らがその状態から脱出するために必要なことは一体何でしょうか?

 

通信制高校は卒業したものの、大学にも行くわけではなく「浪人」のふりをしてそのまま引きこもってしまう。大学に入学したものの、そのまま大学に行かずに引きこもってしまう。大学を卒業したものの、あるいは就職したものの退職して引きこもってしまう・・・。これまで「レール」があった学校教育とは異なり、自分の人生を自ら見つけていかなければならない10代後半、20代の若者にとって、引きこもり状態からの脱出は不登校とはまた異なる環境にいます。ここでは、このような状況のお子様にとって、非常に重要なことをお伝えします。

 

 

10代後半や20代のひきこもりの若者がひきこもり状態から脱出するために最も重要なことは、外部からの刺激を受け、視野を拡げることだと考えています。勿論、大学や職場で疲れてしまい休息をしたい時期は例外ですが、10代後半・20代のお子様にとって最も重要であることは、家族ではない、これまで出会ったこともない価値観を生きる第三者との接触にあります。

 

 

「高校⇒大学⇒就活⇒企業勤務⇒退職⇒年金生活」という「正解」レールが(終身雇用制度が無くなり、年金制度が崩壊寸前であるにも関わらず)意識の中に根深い日本人にとって、大学や職場でつまずき、このレールから一端下りてしまうと、同期から「遅れをとった」という感覚を否応なく抱いてしまいがちです。またこれまでは不登校でも「〇〇高校」という所属先があったのですが、10代後半から20代になると、その所属先がなくなります。所属先が個人よりも価値を置かれる日本社会において、この「所属先がない」という感覚は「社会的に価値がない」という感覚を無意識のうちに育ててしまいます。大企業に就職すると「すごい」と(特に親世代が)過剰に評価する社会であるがために、一度レールを踏み外してしまった若者が「自分には価値がない」と思い込んでしまうのは、ある意味、当然のことなのかもしれません。しかし、もっと冷静に大きな視野でみると、20代なんてまだまだ子ども同然で何度でも失敗していい年頃であるはずなのに、20代の若者が「もう遅れてしまった」という感覚を生み出してしまう社会はある意味「異常」なのかもしれません。引きこもりが「疾患」ではなく、「社会病理」であると主張する社会学者がいることも、そのことを物語っています。

 

 

引きこもりの脱出支援アプローチは様々ですが、10代後半や20代の引きこもりの若者、そして親御様にとって最も大事なことは、この「レール」が時代遅れであることに気付くことから始めることかもしれません。その中で引きこもり状態からの脱出に非常に有効なことは、実社会に生きる、自分の尺度では測ることのできない他者と出逢うことが挙げられます。ミレニアル世代を中心に、昔までは考えられなかった生き方をしている20代、30代の若者が都心部を中心に多く存在していることも事実であり、親御様の世代が知らない多様な生き方があることを教えていくことは、この「遅れの感覚」を払拭する上で非常に有効な働きかけとなっていきます。

 

 

この「レール」上で物事を考えると「レールから外れた ⇒ 遅れをとった ⇒ もういまさら頑張っても手遅れ ⇒ 諦め ⇒ 無気力 ⇒ ひきこもりの長期化」と、社会問題にもなっている「80:50(親が80歳、ひきこもりの子どもが50歳)」へと繋がっていく可能性が非常に高いのです。

 

そのために、まず「20代は若い」という当たり前のことに気付かせるために、親御様そして引きこもりのお子様本人の頭の中の「レール」を一度壊す必要があります。そのために、この「レール」上に生きていない人達に会うことが、実は引きこもり状態からの脱出を図る上で非常に効果的なのです。「こんな生き方もあったんだ。」「まだ全然遅れているわけじゃなかったんだ」と気付くことが出来るかどうか、そこにひきこもり状態からの脱出という扉を開く重要なキーが隠されています。

 

因みに英語には「社会人」という単語がありません。

 

「大学卒業 ⇒ 就職 ⇒ 終身雇用 ⇒ 退職・年金暮らし」というレール上に生きていない、でも現実を生きる他者と出逢うこと。

 

そのような方をご存知でしたら、お子様と会える状況を設けることを是非お勧めします。