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「脱ひきこもり」お役立ちコラム

年末に来年度の進級・転校のご心配をされているなら

松隈 信一郎(医学博士/公認心理師)

福岡県出身。慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程にて幸福感や強み等、人間のプラス面を科学するポジティブサイコロジーを研究。在学中より従来のカウンセリングではない、ポジティブサイコロジーによる不登校・ひきこもり支援の可能性を見出す。その後、一般社団法人ストレングス協会を設立。10代、20代の若者に特化した訪問支援と教員・保護者へのポジティブサイコロジーの教育を通して、世界中の青年が希望をもてる社会の実現に向けて活動を続ける。著書に『ポジティブサイコロジー:不登校・ひきこもり支援の新しいカタチ』(金剛出版)、『「強み」の見出し方』(「月刊精神科」2017年7月号)等。

 

今、このコラムを書いている今は2020年12月、気温も冷え込むようになり、冬が近づいてきていることを実感します。気が付けばもう12月。今年は新型コロナウイルス感染拡大により、なんだか本当にあっという間に過ぎていったような印象があります。コロナ禍の影響もあり、オンライン授業や分散登校、過度な宿題の量等、調子を崩されたお子様も多く、例年にも増して「不登校」の件に関するお問い合わせが多かったように感じます。

 

中学や高校では期末試験が終わり、来年の進級や転校のことで考え始めている親御様も多くいらっしゃるのではないかと思います。今の中学や高校に残ることが現実的に難しくなり、「転校してもいいのよ」と本人に声をかけても返事がない、「転校するくらいだったら今の学校の方がいい」と言ってくるけれど、それに対して何か行動を起こすわけでもない・・・。よくあるあるのお話です。親御様としたら「どちらか決めてくれたらいいのに」とお悩みになられるのもこの時期なのかなと思います。中には今の学校に対する不平不満をお子様から聞いてきた分、こちらとしては「学校変えればいいのに」と思うのも自然なことかと思いますが、また新しい環境に入って行くくらいなら、「今の状態の方がまだマシ」と考えるお子様の方が多いのかもしれません。

 

また、一番よくあるケースは親御様が転校するか今の中学や高校に残るかどうかを尋ねても答えないというケース。正確に言うと、「答えない」のではなく、お子様自身も「わからない」というケースがよくあります。確かに未来のことは誰にもわかりません。転校先でどういうことが起きるか等、いくら考えても分かるはずがありません。できることは転校することのメリット、デメリットを考え、メリットをとり、デメリットには目を瞑る、そして、選択後に、いかにそれを正解にもっていけるよう創意工夫していくかだと思いますが、それはあくまでも「模範解答」にすぎません。

 

よくこういう場面に出くわすのですが、このような状況で建設的にお話が進んでいくのは、お子様が親御様の意見に耳を傾けたり、自分の本音を話せたりと、これまでの関わり方や関係性が物を言うなあと正直、感じるところがあります。もしかすると、このコラムをお読みくださっている親御様の中には、「確かに」とご納得される方もいらっしゃるかもしれませんが、もしこれまでのお子様との関係性がうまくいってなく、なかなかお話ができない場合、もしかすると、今が踏み込むタイミングではないのかもしれません。今、このコラムを12月14日に書いていますが、もうすぐクリスマスや年末と色んなイベント事が入っていきます。ちょっと「学校に行く・行かない」「転校する・しない」のお話は本人との間で一旦、棚に上げて、クリスマスと大晦日を一緒に過ごしませんか?考えてみると、お子様と一緒に過ごせるクリスマスや年末年始もどんどん少なくなっていくと思います。学校の「転校する・しない」のことに関して、3月までにお子様も向き合わないといけないことくらい気づいています。「急がば回れ」ではないのですが、進路の前に何気ない普通の会話ができるように挨拶や「ありがとう」等の会話を増やしていくこと、普通の会話が出来ているご家庭はクリスマスと年末年始を楽しむこと、今はこれを目指しましょう。皆さんも年が変わった時、気持ちが新たに変わった気がしませんか?人の心は環境や状況との相互作用の中に存在します。だからこそ、12月の今は彼らを追い込むのではなく、お互いブレイクタイムを取ってほしいと願います。

 

もし普通の会話がしたいけれど、どのような声掛けしたらよいかが分からない場合は、ぜひ一度、保護者支援等の形でお問い合わせ頂けたらと思います。