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「脱ひきこもり」お役立ちコラム

ストレングス協会の「脱ひきこもり」への想い

松隈 信一郎(医学博士)

福岡県出身。慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程にて幸福感や強み等、人間のプラス面を科学するポジティブサイコロジーを研究。在学中より従来のカウンセリングではない、ポジティブサイコロジーコーチング(PPC)による不登校・ひきこもり支援の可能性を見出す。その後、一般社団法人ストレングス協会を設立。10代、20代の若者に特化した訪問支援と教員・保護者へのPPCの教育を通して、世界中の青少年が希望をもてる社会の実現に向けて活動を続ける。著書に『「強み」の見出し方』(「月刊精神科」2017年7月号)等。

 

皆さん、初めまして。一般社団法人ストレングス協会代表理事の松隈 信一郎と申します。当団体のホームページにお越しくださり、ありがとうございます。私達は現在、10代・20代の不登校やひきこもりのお子様を対象にポジティブサイコロジーという近年アメリカで生まれた人の『強み』にフォーカスする心理学を基にしたコーチングによる訪問支援を行い、お子様が次の一歩を踏み出せるようご支援させて頂いております。

 

ここでは、なぜ私たち、ストレングス協会が不登校やひきこもりの若者支援を行っているのか、また私たちの「脱ひきこもり」への想い、そして、その想いを実現するためのアプローチについて書かせて頂きました。

 

なぜ「不登校・若者ひきこもり支援」を始めたのか?

私がこの不登校やひきこもりの若者の支援を始めるに至ったのは、22歳の時から携わっているフィリピンのゴミ山やスラム街で感じたことがきっかけでした。当時より、私はフィリピンの現地NGOとゴミ山やスラム等の劣悪な環境下に生きる青少年の教育支援を行っていますが、実際に現地に向かい、彼らと共に生活をしていく中、非常に逞しく生きている姿やその生命力に触れるにつれて、「ひきこもり」や若いのに自ら命を絶つ人が多い日本について、経済的には「豊か」とされていますが、果たして何が「豊か」なんだろうという疑問をもつようになってしまいました。勿論、単純な比較はできませんが、日本に蔓延るこの「生きづらさ」「この国には何でもある。だが、希望だけがない」という現状に、今、この時代を生きる一人の人間として、微力ながら貢献したいという想いが、遠いフィリピンのスラム街を徘徊していた私の胸を焦がしていました。

 

「弱み」ではなく「強み」にフォーカス

元々、教育畑で育った私はその想いに突き動かされ、従来の心理学やカウンセリング等を学び始めました。しかし、どうもしっくりこなかったのです。「何かが違う」と。というのも、そのベースが「君は何か『欠陥』がある。だからそれを『修理しよう』」という考え方が根本にあり、そこから入ることがどうも性に合いませんでした。「どうすればいいんだろう」と20代半ば、悶々と模索していました。そんな時に東日本大震災があり、フィリピンで台風災害があり、色々なことがあり、国内外の被災地で働いていましたが、フィリピンでの台風災害復興支援の際、レイテ島で坪田一男先生という慶應大学医学部の教授に出会ったのです。坪田先生に自分が悶々と模索していること等を相談した際、アメリカで生まれた新しい心理学を教えてくれました。それは「ポジティブサイコロジー」というマイナスをゼロに戻すのではなく、「あなたの何が良いのか」に着眼していく心理学であると。それはプラスを育てることで、マイナスから脱却するという、これまでの心理学にはない新しい発想でした。確かに「ひきこもり」という響きから全てがダメだと思いがちですが、誰しもがマイナスの面もあれば、プラスの面もあります。そのプラスからのアプローチ、「あなたの何がうまくいっているのか?」というその人の「強み」を見つけて、そこを育てていくという考えが、とてもしっくりきたのです。それから私自身、慶應大学医学部博士課程に進学して坪田一男先生(日本ポジティブサイコロジー医学会副理事長)や三村將先生(慶應大学精神科教授)の元でポジティブサイコロジーを研究し、アメリカの授業も受けて、その手法を学んできました。そして実際にひきこもりの子達と対峙し、そのアプローチで訪問支援をしているとドンドン彼らが変化していく姿を目の当たりにしたのです。ネガティブな面のみを見て「それが自分だ」と思い込んでいた子達がプラスの面にも気づいていく中、もっと「自分らしく」なっていく。8年間ひきこもっていた17歳の男の子がわずか数ヶ月で通信制高校に通い始めたり、数年間ひきこもっていた20歳の男の子がカナダの大学へと飛び立っていく等、様々なドラマのワンシーンに立ち会わせて頂きました。

 

「脱ひきこもり」への想い ~ 人としての成長

私は別に学校に行くことが必ずしも「正解」だとは思っていません。人として成長する場は学校だけではありませんし、卒業した後に一度、ひきこもったとしても、若さがあれば、そこから始まる多様な生き方があることを知っています。しかし、この「日本」という国には、あまりにも人を「枠」にはめ込み、自分の足りていないところや欠点ばかりを指摘しあう文化に溢れているように思えてならないのです。私は「ひきこもり」という状態を肯定的にも否定的にも捉えていません。学校に行っていようと行っていまいと、ひきこもっていようといまいと、そこで「成長していること」が何よりも重要だと考えています。ですから、何がなんでも元の学校や職場に戻すという考えはありませんし、ずっとひきこもりでもいいという考えもありません。

 

私たちが目指す「脱ひきこもり」とは、「人として成長すること」です。その成長の場として、学校に復学するお子様もいらっしゃれば、フリースクールに通い始めるお子様、留学を選択し、海外に飛び立つお子様やアルバイトを始めるお子様、再就職をするお子様など、これまで関わってきた子達が進んでいった道は多岐に渡ります。私たちは、お子様の成長を後押しするために存在します。彼らの「強み」を見つけ、「人としてもっと成長したい」という「希望」をつくり、一歩前へと踏み出せるよう導くことが私たちのミッションです。この想いにご賛同頂ける親御様とのご縁を心待ちにしております。

 

一般社団法人ストレングス協会

代表理事 松隈信一郎  PhD

 

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