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「脱ひきこもり」お役立ちコラム

お子様に合った相談先が明確になる不登校・ひきこもり支援の背景

お子様が不登校や引きこもりの状態になった時、一体どこに相談をすればいいのかお悩みになられる方が多くいらっしゃいます。このページをご覧頂いている方の中にも、勿論いらっしゃるかと存じます。相談先となると病院や保健所、親の会や民間企業、またNPO法人など一体どの機関がお子様にとって最適な場所なのか、分かり兼ねている親御様、またはとある機関にお世話になっているものの、一向にお子様のご様子も変わらなければ、親御様ご自身も何をしていいのか分かり兼ねてしまっている状態に陥っているというお話もよく伺います。

勿論、一概に「病院」「NPO法人」といってもその理論や理念は各施設・団体の長によりけりであり、一概に捉えることは出来ませんが、ここでは少しでも不登校や引きこもりでお悩みになる親御様の考えが整理できるように、ひきこもり支援業界の「潮流」についてお話したいと思います。なぜなら、この業界の流れを掴むと、それぞれの支援機関のアドバイスがどこからくるのか?が分かりやすくなるからです。

 

 

先ず、そもそも、不登校や引きこもりが社会問題として取り上げられ始めたのは約1980~90年代だと言われていますが、時代背景としても、過剰な大学受験戦争やバブルで揺れ動く経済社会など、激動の時代に乗ることが出来なくなった、ついていけなくなったお子様が露骨に現れてきた時代だったようです。当時は「不登校」や「引きこもり」という概念はなく、不登校やひきこもりのお子様は「登校拒否」や「怠惰」だとみなされ、無理矢理にでも連れ出すというやり方が主流でした。俗にいう「引き出し屋」や「悪徳民間業者」の手法がこのルーツを未だに辿っています。

 

 

一方、不登校になったお子様や引きこもりになった若者の言動をよくよく観察していくと、当時はまだ認知されていなかった「発達障がい」の疑いが指摘されるようになったのです。「発達障がい」の概念が認知され始めるのと同じ流れにのり、引きこもりの親の会が全国のあちらこちらで誕生し、「彼らは発達障がいであるから引きこもってしまうのも当然だ。彼らにとって「生きづらい社会」が問題なのであり、引きこもったまま生きられる充実した福祉国家を実現すべきだ」と多くのNPO法人が立ち上がりました。つまり、あえて大雑把に申すならば、「引きこもりの子達を精神障がい者として認定し、福祉の中で生かしていくべきだ」というのがこのような支援団体の主張なのです。勿論、福祉に甘えるのではなく、「彼らが生きやすい国にすべき」という主張があります。ですので、このような理念の支援団体に頼ると、「とにかく見守りましょう。待ちましょう。」というアドバイスしかされません。なにせ「国が悪いのだから、こちらは温かく見守るしかないですよ」というスタンスだからです。「親が80歳、子どもが50歳の引きこもり」という「80:50問題」が増加するのもこの流れから捉えると無理もないことなのです。しかし、このような理念の親の会や支援団体は、社会的弱者となりやすい人達の生活を守るために重要な活動をされています。もしお子様が発達障がいの診断を受けて不登校や引きこもり状態であれば、是非、一度お問い合わせされることをお勧めいたします。しかし、一概に不登校や引きこもりといっても発達障がいが理由ではない可能性も多いのが現状です。お子様のご様子を見られて、そうではない場合、「とにかく見守りましょう。待ちましょう」しかアドバイスをされず、それを鵜呑みにしてしまうと「80:50問題」の扉が開く可能性もあるということを冷静に考えてもらいたく存じます。

 

 

また一方、引きこもりが社会問題として注目されるようになるにつれて、「引きこもり」に対する医学的な捉え方にも変化があることを親御様は理解しておいた方がよいかもしれません。うつ病や統合失調症をはじめ、精神疾患が原因で引きこもり状態になるケースもあるため、身体症状が現れている場合など是非とも医療機関での診断をお勧めしますが、これまで「引きこもり」はあくまでも「状態」であり、「疾患」ではありませんでした。しかし、なんと現在、医学界では「引きこもり」そのものも「疾患」に分類してしまおうという流れもあるのです。診断して分類できない限り、治療の仕様がない。であれば「引きこもり」を「疾患」にしてしまおうという訳です。というのも、医師は学校で病気を治すことしか学んできていないのですから、誤解を恐れずに申すと「病気」にしてしまった方が「やりやすい」のです。(因みにこの流れに対して、教育者やソーシャルワーカーなどの非医療従事者は反対しています。)

 

 

「強みアプローチの科学的根拠」に記載した通り、ポジティブサイコロジーの研究が進み、「精神疾患(心の病気)」と「精神的健康(心の健康)」は異なることが明らかになっています。ひょっとすると不登校や引きこもりのお子様は「精神疾患(心の病気)」ではなく、ただ「精神的健康(心の健康)」が低いだけの状態であるかもしれないのに、一概に「疾患」にされてしまうとたまったものではありません。統合失調症など精神疾患が原因で引きこもってしまうケースもあるため、医療機関を頼るのを止めた方がいいと述べたいのではありません。しかし、精神疾患ではない不登校・引きこもりのお子様も「病気」にされてしまう可能性が医療機関では起こり得るということも認識されていた方が良いかもしれません。

 

 

ここでは不登校・引きこもり支援と医学界の潮流から、不登校や引きこもりの支援や助言の在り方を考えてきました。お子様に発達障がいや精神疾患の疑いがある場合には適切な機関にまず頼って頂きたいのですが、このような背景があることをご理解され、盲目的に第三機関からの「アドバイス」を鵜呑みにされずに「一意見」として冷静に耳を傾けて頂ければと思います。勿論、このコラムの内容も含めてです。是非このコラムも「一意見」としてお読みください。