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「脱ひきこもり」お役立ちコラム

【コロナ特集】緊急事態措置の休校明けから学校に行けていないお子様に対して

松隈 信一郎(医学博士/公認心理師)

福岡県出身。慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程にて幸福感や強み等、人間のプラス面を科学するポジティブサイコロジーを研究。在学中より従来のカウンセリングではない、ポジティブサイコロジーによる不登校・ひきこもり支援の可能性を見出す。その後、一般社団法人ストレングス協会を設立。10代、20代の若者に特化した訪問支援と教員・保護者へのポジティブサイコロジーの教育を通して、世界中の青少年が希望をもてる社会の実現に向けて活動を続ける。著書に『「強み」の見出し方』(「月刊精神科」2017年7月号)等。

 

関東圏内では、6月に緊急事態措置の解除によって分散登校が開始され、早くも1ヶ月が経ち、気が付けば期末テストの時期になりました。元々、不登校であったお子様や新型コロナウイルス感染による休校の影響でリズムを崩し、休校期間が終わった後も学校に行けないお子様、そしてその親御様にとっては、どうすればいいのかわからないと途方に暮れている時期かもしれません。前回のコラムでも書かせて頂きましたが、大人でも在宅勤務に馴れ始めた時の緊急事態の解除で、未だに本調子がでない方も多いのではないでしょうか。ゴールデンウィーク等の長期休暇後から不登校が増えるのは今に始まったことではありませんが、休校期間が終わった6月半ば頃から、当会へのお問合せの件数も激増しています。「せっかく4月の新学期から頑張ろうと意気込んでいたのに」と悔やまれる親御様も非常に多いのではないかと感じています。

 

私自身、「不登校」の支援をしておりますが、「学校に行くべき」「学校に行かなくてもいい」という二極の考えはもっておらず、それよりも「人としての内面の成長」をしているかどうか、「自分には価値がある」と本人が思えているかどうか、のところに関心を持っているため、「学校に行く・行かない」に関しては何も伝えたいことはないのですが、新型コロナによる休校によって調子を崩し、不登校になって、今、期末テストを目の前にしてどうしたらいいのか分からなくなってしまっているお子様に対しては、このことだけは伝えたいです。

 

それは、「皆も調子崩しているから」ということ、そして、「分からなくなっているのは至って自然なこと」ということです。

 

不登校のお子様や親御様にとっては、なかなか他のお子様がどのようにしているのかを知るご機会が少ないので、「自分だけが」「我が子だけが」調子を崩してしまっていると思いがちになってしまいますが、休校によって調子を崩して学校に行っていない中学生、高校生、浪人生が非常に多くいらっしゃいます。そのため、今、期末テストを目の前にして、どうすればいいか分からなくなっているのは「自分」だけでなく、至って、自然で普通なことだということを伝えたいのです。人は「なんで自分だけがこうなってしまったのか」「なんで我が子だけがこうなってしまったのか」と考えれば考えるほど、孤独感が湧いてきます。ただでさえ調子を崩しているのにもかかわらず、そのような言葉を自分自身に投げかけていると、下がらなくていいところまで、下がってしまいます。

 

一方、そんな時に、「誰にでもあるよ」「皆も同じことになっているし」という声を自分に投げかけると安心感が生まれてきます。不登校やひきこもりの親の会や通信制高校が主催する保護者セミナー等にご参加されると、「自分だけじゃなくて、同じことで悩んでいる親御さんがこんなにも多くいるんだ」ということに気づく時に感じる感覚です。もし、今、お子様が休校により、調子を崩して、不登校の状態になり、どうすればいいか分からないという状況でしたら、ぜひ担任の先生との連絡の際に、他のお子様はどんな調子かを伺ってみてください。きっと「自分だけはないこと」「我が子だけではないこと」に気づけると思いますし、そこから生まれるちょっとした安堵感が、どうすればいいか分からなくなった頭の中を一旦休め、これからのことを考える「隙間」を生み出してくれるのではないかと思います。

 

「自分だけ」と孤立するのではなく、他者の境遇と繋がりましょう。そして、解決策を見つける前に、まずは一旦、頭を休めましょう。