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「脱ひきこもり」お役立ちコラム

『ひきこもりの青年への強みに基づく認知行動療法』(精神療法 増刊第7号)

松隈 信一郎(医学博士/公認心理師)

福岡県出身。慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程にて幸福感や強み等、人間のプラス面を科学するポジティブサイコロジーを研究。在学中より従来のカウンセリングではない、ポジティブサイコロジーによる不登校・ひきこもり支援の可能性を見出す。その後、一般社団法人ストレングス協会を設立。10代、20代の若者に特化した訪問支援と教員・保護者へのポジティブサイコロジーの教育を通して、世界中の青少年が希望をもてる社会の実現に向けて活動を続ける。著書に『「強み」の見出し方』(「月刊精神科」2017年7月号)等。

 

『疾患・領域別最新認知行動療法活術(精神療法 増刊第7号)』(金剛出版)

この度、『疾患・領域別最新認知行動療法活用術(精神療法 増刊第7号)』(金剛出版) の「ひきこもり」のパートを担当し、強みに基づく認知行動療法 (Strengths-based Cognitive Behavioral Therapy)の可能性について、書かせて頂きました。問題解決や治療目的ではなく、クライエントの幸福感やレジリエンスを高めることを目的にしたこの新しい認知行動療法は、精神疾患とは診断しがたい、多くの不登校やひきこもりの青年たちの内なる力を呼び起こす可能性が大いにあります。その子の「何が悪いのか?」に焦点を置くのではなく、その子の「何が良いのか?」に焦点を置き、そして、その子の過去にうまく行っていたことを見つけて、いかにそれを活かしていくのかを話し合っていくアプローチは、彼らの自己肯定感を高め、次の一歩を踏み出す勇気を与えます。不登校やひきこもりのお子様との実践経験を基に、出来る限りわかりやすく書きましたので、もし当協会が実践している強みベースのアプローチがどのようなものかにご関心がある親御様や学校の先生、心理職の方がいらっしゃいましたら、ぜひ、手に取ってみて頂ければと思います。

要旨

近年、認知行動療法は、さまざまな領域やさまざまな立場の人によって活用されつつある。 それに伴い、現場の方からは、認知行動療法ないしは認知行動療法アプローチを具体的な実践例から学習することで理解を深めたいという希望が増えている。そこで本書では、すでに実践されている専門家の方々に、ご自身の実践例を交えながら現実場面での進め方やポイント、注意点等を解説していただく。(抜粋)

目次

はじめに (大野裕)

 

【疾患別】
うつ病治療における認知行動療法の活用―認知行動療法の新しいあり方と臨床上の工夫 (菊地俊暁)
うつ病の認知行動療法とブレンド認知行動療法を活用した遠隔医療 (佐々木洋平・中川敦夫)
双極性障害における認知行動療法の活用 (北川信樹)
統合失調症における認知行動療法の活用 (松本和紀・浜家由美子)
パニック症における認知行動療法の活用 (中島俊・堀越勝)
社交不安症の認知行動療法 (梶原真智子・加藤典子)
不安症に対するマインドフルネス認知療法 (佐渡充洋)
強迫性障害における認知行動療法活用術 (中尾智博)
PTSDに対する持続エクスポージャー療法 (井野敬子・金吉晴)
心的外傷後ストレス障害に対する認知処理療法の進め方とポイント (伊藤正哉・菊池安希子・宮前光宏・正木智子)
成人期のADHDの認知行動療法 (中島美鈴)
摂食障害に対する認知行動療法 (河合啓介)
睡眠障害における認知行動療法 (岡島義・井上雄一)
薬物依存症―認知行動療法の手法を活用した依存症集団療法「SMARPP」(松本俊彦・今村扶美)
ゲーム障害、ギャンブル障害への認知行動療法的アプローチについて (古野悟志・樋口進)
認知症における認知行動療法の活用 (田島美幸)
慢性痛に対する認知行動療法と構造化されたプログラム例 (細越寛樹)

【領域別】
子どもに対する認知行動療法 (下山晴彦)
学校での簡易型認知行動療法,授業の進め方とポイント (平澤千秋)
ひきこもりの青年への強みに基づく認知行動療法 (松隈信一郎)
大学生の抑うつに対する行動活性化の取り組み (神人蘭・高垣耕企・横山仁史・岡本泰昌)
ジュニアアスリートのメンタルサポート (関崎亮)
地域での認知行動療法の活用―愛知県における簡易型認知行動療法の技法活用の9年間の取組みについて (平野美輪・森蓉子・戒能德樹・竹之内直人)
訪問看護での認知行動療法活用法 (郷沢克己)
職域における簡易型認知行動療法の活用可能性 (大野裕・加藤典子・佐々木洋平)
産業現場・復職後支援に認知行動アプローチを応用する―超簡易型CBTによる実践経験からのヒント (宇都宮健輔・吉村玲児)
産業領域における認知行動療法の活用―職場のハラスメント対策 (武藤みやび)
司法領域での認知行動療法―生きづらさを抱えた人たちを中心に (長徹二)